昔から、女性のおしりは冷たいといわれます。ルノアールの絵画を思い出すまでもなく、ふくよかなおしりは、温かいイメージがありますが、実際は、女性のおしりは男性のおしりよりも冷たいのです。
おしりを冷たくしている張本人は、意外にも「 脂肪 」です。実は、脂肪は熱伝導率が低いので、体温保持などの保温作用を持っています。
つまり、体の内部の熱を体外へ逃がさない役割があります。
一方、脂肪は外からの熱も体内に伝えにくく、断熱材の役割を担っているため、脂肪の塊は簡単には温まりません。だから、おしりの表面は冷たいのです。
もうひとつ、脂肪組織には血管が少ないことも要因となります。血液は一定の温度がありますが、血管が少ないと血流量も少なくなるので、その分冷たく感じられるのです。
ということで、一般に、男性と比べると脂肪が多い女性のほうが、おしりが冷たいということになります。
では、体脂肪が数% といわれるマラソン選手など、体を鍛えた女性のおしりは冷たいのでしょうか。当然、おしりにも余分(?) な脂肪はついていないので、一般の女性よりも温かいと考えられます。男性の場合も、運動をまったくせず、食べてばかりの肥満の人では、おしりにも脂肪がつきます。すると、おしりは冷たくなると考えられます。