よく健康的な体を維持するには、「3食をしっかり同じ時間に食べるように習慣化しましょう」と言われる。
1日の食事は朝・昼・晩の3食と相場が決まっているが、じつはこの食習慣、日本ではわりと最近になって定着したものである。
たとえば、古事記や日本書紀が書かれた8世紀は、食事は朝と夜の2食。室町時代になると、戦場での習慣から武士が3食となり、やがて町人にも広まっていったが、定着するまでには至らず。明治になっても、
1日3回きっちり食事をとっていたのは、お金持ちと工場労働者くらいのものだったという。
つまり、ほとんどの日本人が1日3食たべるようになったのは、つい1世紀ほど前というわけだが、では、どうして3食になったの?
これは、大阪大学の中川八郎名誉教授によると、文明が進むにつれて、頭脳労働の時間が長くなり、そのためには栄養(なかでもブドウ糖)をとらなければならなくなったからだという。中川教授は、肉体労働という点では、昔も今もそう変化はなく、この先もっと脳を使う社会になれば、1日4食になる可能性もあるといっている。
1日3食に習慣化したのは最近ということである。
現代人は、食べ過ぎ傾向にあるので粗食がとても大切。