薬の形状によって溶けやすさが異なる

内服薬は溶けやすさを変えて効果が続く時間を調整している

薬は、体のどの部分で最大の効果を発揮させたいかを考えて、注射、軟膏、錠剤など、27種類もの異なる剤形に加工されています。

それらを大きく分けると内服薬と外用薬があり、内服薬の主なものにも、液剤ヤシロップ剤、粉薬(散剤・顆粒剤)、錠剤(裸錠・糖衣錠)、カプセル、ドライシロップ剤などがあります。

内服薬は、胃で溶けて小腸から吸収され、血管を通って肝臓に入ってから、病気を起こしている器官や細胞に運ばれて効果を発揮します。

ですから、効果を発揮させたい部分でちゃんと効くように、溶ける時間が調整されています。溶ける時間が早すぎると、薬の血液濃度が高くなりすぎて過剰反応を引き起こしますし、溶けるのが遅すぎると、薬の大半は吸収されずに便と一緒に排泄されてしまいます。

液剤やシロップ剤、粉薬などは、体の中で早く効かせたいため、速く溶けさせるための形状です。それを固形状にしたものが錠剤で、表面を加工していない裸錠と、表面を白糖で覆った糖衣錠があり、飲む量を正確に管理できます。

カプセル剤は、ゼラチン等のカプセルに液状や顆粒状の薬を詰めたもので、早めに溶けてしまわずに、必要な場所で溶けて効力を発揮するように作られています。液状のほうが効果の上がる薬でも、液状でおいておくと効力が減ってしまうものがあります。

そういった薬は散剤にしておき、飲むとき水に溶かして飲みます。それらをドライシロップ剤といいますが、溶かしたときに苦みなどを感じないように、糖類を加えているものもあります。

漢方薬の場合、薬の名前を見るだけで形状がわかるようになっています。例えば、「葛根湯」などのように、最後に「湯」がつくものは、まず薬草などを乾燥させて細かくし、それを煎じた(煮詰めた)スープ状のものです。

当帰芍薬散」のように散がつくものは煎じたスープ状のものを粉末にしたもの。「桂枝茯苓丸」のように「丸」がつくものは、粉末のものをハチミツで固めたものです。

最近では、それらを飲みやすくするためにカプセルに入れたり、糖衣錠にしているOTC薬もたくさんあります。

口から飲んだ薬は食道を通り、胃で溶かされ、腸で吸収されて肝臓に運ばれる。一部は肝臓で分解され、残りの成分が血液とともに全身をめぐり、必要な場所で作用。何度も繰り返し全身をめぐりながら肝臓で代謝され、最後に腎臓を通って尿として排泄されます。

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