鶏卵・魚卵・肉、コレステロールを避けない
日本人は欧米人に比べると摂取カロリーが少ないのに、多くの人がコレステロールを目の敵にしてダイエットに夢中です。しかし、細胞やホルモンの生成に深く関わるコレステロールは、私たちの体を構成するうえで欠かせないものであり、その数値が高いリスクより低すぎるリスクのほうが大きいのです。
コレステロールは下げないという考え方をあらためて考える – Helth-memo
コレステロール値が高いほうが、NK細胞が活性化されて、肺炎やインフルエンザにかかる率が低いという調査結果や、感染症による死亡率が低いという報告もあります。O-157 (腸管出血性大腸菌)による食中毒が時々発生しますが、死亡するのは小さい子どもと老人ばかりです。
成人には血中コレステロールや中性脂肪が多く、これらはO-157が出す毒素(ベロ毒素) を中和します。だから、コレステロール値の低い子どもや老人がベロ毒素によって亡くなってしまうのです。
赤ちゃんには、母親からの免疫が、へその緒を通してγ -グロブリンという形で与えられるものと、母乳で与えられるものがあります。コレステロールと中性脂肪がたつぷりの母乳は、感染症にも強いのです。離乳期になって母乳を飲まなくなると、途端にO-157などの感染症の危険性が出てきます。そのくらい、コレステロールを含む食品は大事なのです。コレステロールは強い血管をつくることにも関わっています。
1969年頃、秋田や山形の人は脳出血が多くて、脳外科の医者は手術数が多くて忙しい毎日でした。かつて東北の人は、漬物ばかり食べて、農家でも牛乳や卵や鶏はよそに売ってしまっていましたから、栄養が十分でなく、コレステロール値が低くて血管が弱かったのでしょう。
今は肉・卵・牛乳などでコレステロールをしっかり摂るようになり、脳出血は減ってきました。脳にもコレステロールをたっぷり与えないと働きが鈍くなります。「コレステロール値が低いと、精神的に不安定で暴力行為を起こしやすく、うつ状態になりやすい」という説があります。
以前、ある大学の精神科の先生とJR東日本が協力して、JR中央線で飛び込み自殺した人を調べたことがあります。その結果、9割が50〜60歳で、ほとんどが男性でした。しかも全員、コレステロール降下薬を飲んでいたといいます。コレステロール値をやみくもに下げることには問題があるのです。
いい歳だからあっさりした食べ物を好むようになったと思い込んで肉を控えたり、コレステロール値を気にして鶏卵・魚卵を避けたり、そんな中高年が増えていくと、今後ますますうつ病とイライラが蔓延し、がんも増えていくのではないかと心配になります。
むしろコレステロール値の高い人のほうが、活力もあって仕事ができるものです。「社員を採用するときには、コレステロール値を測って、低い人は採用しないほうがいいですよ。少なくとも200以上はないと。コレステロール値の高い人は、元気でアグレッシブだから、職場の雰囲気も明るくなり、会社の業績もアップするでしょう。