60歳を過ぎたら是非飲みたい長寿のための飲み物

60歳を過ぎたら意識して飲みたい

乳製品の代表、牛乳も栄養バランスの優れた食品です。たんばく質、カルシウム、脂肪、必須アミノ酸などが豊富に含まれています。

牛乳
牛乳

特に日本人に不足しがちなカルシウムの貴重な補給源です。食物のカルシウムは年齢とともに体内に取り込みにくくなり、不足がちになります。すると体に必要な分は骨から取り出して使うことになります。特に女性は閉経後にホルモンの影響で骨から失われるカルシウムが増えます。

牛乳の詳細についてはこちら。

中高年は骨がもろくなって、骨粗鬆症になったり骨折しやすくなったりするのです。

東京都老人総合研究所では、当時東京都でもっとも長寿地域であった小金井市で、70歳以上の住人の食習慣を調べ、牛乳を「毎日飲む」グループと、「時々飲む」または「飲まない」グループに分けて、追跡調査を行なったことがあります。

その結果、10年後の生存率は、牛乳を毎日飲むグループが、そうでないグループに比べて高かったのです。

とりわけ男性の生存率は15%以上の差がありました。実際、90歳、100歳を越えて元気に生活している人には、牛乳を飲む習慣のある人がとても多いのです。

秋田県では、67〜74歳の高齢者の低栄養状態を改善するため、牛乳の飲用を勧めたところ、牛乳をよく飲むようになったグループの血清コレステロール値が上がり、適正に維持されたという報告がなされています。

では牛乳のカルシウムなどの成分を取り出して摂取すればよいかというと、そうではありません。牛乳の良質なたんばく質やカルシウム、コレステロールを含んだ脂質、善玉菌を増やす乳糖など、栄養素をバランスよく摂れる牛乳自体が体にいいのです。よく、歴史的に日本人は牛乳を飲んでこなかったために、牛乳が体質に合わない、牛乳は体に害である、などという説もあります。

たしかに、小腸内でラクターゼという乳糖分を分解する消化酵素が十分につくれず、乳糖不耐性という症状が出る人もいます。しかし、それは少ない例です。子どもを病気から守り、成長させる母乳が、栄養価の高い飲み物であるように、牛乳は優れた健康飲料なのです。高齢者にとっては、他の食品を食べるよりも消化がいいため、積極的に飲んでいただきたいものです。

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