食事でもっと健康になる

うつの原因かもしれない「たんぱく質乏症」

たんぱく質乏症のチェックリスト

うつとたんぱく質乏症の症状はとてもよく似ている点があります。チェックリストを使ってまず、たんぱく質乏症でないことしっかりを確認しましょう。
うつ病でこんな症状があったら栄養欠損の可能性大

  1. 肉、魚、卵などあまり食べない
  2. 野菜中心、あるいは和食中心
  3. 豆腐、納豆などの大豆食品をよく食べる
  4. ご飯やパン、麺などで食事をすましてしまう
  5. 成長期
  6. 妊娠・授乳期
  7. ステロイド剤を使用している
  8. スポーツをする、仕事は、肉体労働
  9. 胃薬をよく飲む
  10. 腕や太ももが細くなった

lはっきりとした症状が出にくいたんぱく質欠乏症

一般的にたんばく質は、摂取していると思われていると思われますが、日常の生活では充分に摂取することが困難な栄養素でもあります。
また、チェックリストの項目を見てもわかるように、健康に気をつけた食事をしている人こそ、たんばく質が不足してしまいます。チェックリストに3つ以上当てはまるなら、注意が必要です。

身体にとって非常に重要な栄養素ですが、たんばく質の不足によって起こる特徴的な症状が乏しいため、見落とされがちで注意しなければいけません。これは、興奮系・抑制系・調整系などのすべての神経伝達物質の原材料がたんばく質であるため、特異的な障害が起こりにくいためです。

たんばく質は、人が生きていくためには、毎日必ず一定量を消費します。それは、食事から摂取されるたんばく質の量から独立しています。つまり、どんなに食事からのたんばく質が足りなくても、常に一定量のたんばく質を消費するため、足りない分はわたしたちの身体を構成しているたんばく質を分解し、消費してまかなっているからです。

チェックリストの10にある「腕や太ももが細くなった」というものは、自分の筋肉をたんばく源として利用してしまった結果です。そのほかの項目では、成長期、授乳期などは大量のたんばく質が必要な時期であることを示しています。。また、ステロイド剤は身体のたんばく質を大量に消費する薬剤の代表です。

最近になり、市販されている胃薬にも、強力に胃酸の分泌を抑えるものが増えてきました。胃酸が少ないと、食材に含まれるたんばく質の吸収が減り、たんばく質の欠乏を促すことになるので、注意が必要である。
胃薬を症状のタイプに分けて原因を特定してから薬を選ぶ | 通販、薬局、ドラッグストアーで購入できる薬
https://kusiri-guide.com/archives/9

極端な健康志向はたんぱく質欠乏を招きやすい

鉄欠乏で肉を敬遠する食傾向の問題点について紹介しましたが、これはたんばく質の不足にもつながります。たんばく質は神経伝達物質はもちろん、身体のあらゆる組織の原料だから、不足すればさまざまな支障が起きてしまいます。

ところがさまざまな健康情報が、肉や卵を控えることを推奨します。肉や卵は毒素がでるからよくない…などの情報を目にします。その結果として健康に気をつけている人ほど、たんばく質不足になってしまうということです。

また、牛乳にきなこを混ぜて飲んだとしても、実際に吸収されるたんばく質の量はたかがしれているのです。

しかも、たんばく一質は「食いだめ」ができません。たくさん食べたからといって、身体に蓄えておくことはできないのです。

食事で必要な量のたんばく質を体内に取り入れるのは、非常に難しいことがわかるでしょう。肉を敬遠すればなおさらです。肉を積極的に食べ、サプリメントでプロテインを補給して、ようやくまかなえるというのが、現在のたんばく質事情です。

身体のなかでは、日々たんばく質がさかんに使われています。同じ生活パターンを送っていれば、身体で使われるたんばく質の量もほぼ一定になります。食事から摂るたんばく質の量が少なくても、使われる量は変わりません。前述したように、蓄えられているたんばく質はないわけだから、不足した分は、筋肉や血液のなかのたんばく質で補填されることになります。

たんばく質の少ない食事が続けば、身体のたんばく質がどんどん使われ、体内でたんばく質不足が起きるのは当然です。そうして脳や組織への供給源が枯渇していくのです。

なぜ「食べ物うつ」が見逃されてしまうのか?

心の病、精神疾患を診断するためのマニュアルとして高い評価を受けているのが「DSM-Ⅳ-TR」という900ページにも及ぶ膨大な精神疾患の分類と診断の手引き書です。

アメリカの精神医学会が編集したものですが、現在は精神科医のバイブルのようになっています。世界中の精神科医はこのDSM分類にしたがって、病名を決定しています。DSM分類の特徴は「多軸評定」になります。つまり、患者さんが訴える症状だけではなく、身体の疾患や環境的な問題、パーソナリティ障害なども考え合わせ、総合的に診断をくだすよう提唱しているのです。

たとえば、甲状腺のチェック、たんばく質やビタミンB群、鉄、葉酸などの欠乏の有無のチェック、代謝のチェックなどもおこなう必要があるという記述が、はっきりなされています。しかし、現実には多軸評定はおこなわれず、症状だけで診断がくだされている。そこがもっとも大きな問題となるのです。

確かに、DSM分類では症状を重んじてはいる。症状による診断基準を定めることで、診断が容易になるし、経験の浅い医師と経験豊富な医師で、診断が大きく変わるということもない、という利点もあります。しかし、多軸評定がないがしろにされ、症状による診断だけが独り歩きしてしまっている現状は、なにより患者さんにとって大きなデメリットになっています。
一例ですが、パニック障害の診断基準では、動悸、発汗、身震い、息切れ…といった13の症状があげられ、そのうちの4つ以が突然にあらわれ、10分以内に症状が頂点に達したら、パニック障害と診断すべきとしています。しかし、13の症状のうちいくつもが、鉄欠乏症にも重なる症状です。

とすれば、当然、鉄欠乏があるかどうかをチェックすべきですが、精神科医の診断ではそれがおこなわれることはありません。そして、パニック障害だけを想定した薬が何種類も処方されるのです。

統合失調症も、そのほかの精神疾患も同様です。うつの患者数が増加の一途をたどる今日、もう一度、多軸評定というDSM分類の原点に立ち戻る必要があるのではないでしょうか。栄養的な評価を診断に加えれば、心の病への治療アプローチは大きく変わります。少なくとも、現在のような薬漬け状況は、画期的に改善されるはずです。

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