甘いもの 体に悪い 理由はじつはとても複雑です。
甘いもの 体に悪い 糖尿病になりやすい人
生活習慣病の1つに、血糖値 が非常に高くなる糖尿病があり、今や糖尿病人口は1500万人を超えるとも推計されています。
この症状が長期にわたると血管が徐々に壊されていき、目や腎臓をはじめとしたさまざまな臓器に合併症が起こる、大変怖い病気です。
血糖値がなぜ上がってしまうのか。食べ物が消化されてつくられるブドウ糖は、血液中でさまざまなホルモンによって常に一定量に調節されています。
その調節機能がはたんなんらかの理由で破綻して、ブドウ糖が血液中にあふれてしまうのです。ブドウ糖をコントロールしているのが、すい臓で分泌されるインシュリンであり、体内で唯一血糖値を下げるホルモンです。
インシュリンは、血液中のブドウ糖を体の細胞に送り込んで活動エネルギーに変えたり、脂肪やグリコーゲンに変えて蓄えておいたりする働きがあります。このインシュリンが不足すると血液中のブドウ糖をうまく使えなくなって糖尿病になるので、これは治療薬にも使われています。
糖尿病にはいくつか型がありますが、9割は、過食や肥満や運動不足などによる生活習慣が引き金になっています。そのため糖尿病になると、インシュリンを使いすぎてすい臓を疲れさせないように、食事療法が大変重要です。糖尿病と診断されると、まず、厳しい食事制限が待っています。
毎日の栄養価を計算して、計画通りに食事をとらなければならないのです。病気ではなくても、このインシュリンの性質を生かしたのが、糖質制限ダイエットです。
血液中のブドウ糖が増えすぎるとインシュリンが分泌され、余ったブドウ糖が皮下7り脂肪として蓄えられていくことになります。しかし、たんばく質や脂質ではインシリンは分泌されないので、脂肪は増えません。そうしたことから、食事の中の糖質を減らし、たんばく質や脂質でお腹をいっぱいにしてやせようというのが、このダイエットの狙いでしょう。
糖尿病を恐れて、またダイエットを期待して糖質制限をするのはいいですが、極端にバランスの崩れた食事はやはり健康を害します。成人はまだしも、子どもは絶対に糖質制限をしてはいけません。なぜなら、子どもの頃にしっかり糖を摂取しておかないとインシュリンの出が悪くなり、その機能が働きにくくなるからです。
体内の糖をうまく使う能力を「耐糖能」と言いますが、読んで字のごとく糖に耐える力です。また、糖尿病に進む手前の病状は「糖尿病予備群」と表現されますが、WHO(世界保健機関)をはじめとした海外では、「耐糖能異常」と呼んでいます。
つまり、子どものときに糖を制限してしまうと、この耐糖能力が身につかないのです。今、高齢者に糖尿病が大変多くなっていますが、子ども時代に日本全体が貧乏で、糖が不足していたことが影響しているでしょう。
そうした人たちは、大人になってからうまくインシュリンが分泌できなくなってしまったのです。その点、食事に困らなかった家系の方には、糖尿病は少ないようです。子どもの頃から美味しいお菓子をたっぷり食べてきているからです。ですか子どもがアメやチョコレートを欲しがったら、どんどん与えなさい、と言っています。